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春の大潮を楽しむ/急流体験(4/8)

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中水道の潮流(後方は武志島)
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中渡島灯台
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中渡島灯台(拡大)
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潮流の向きを伝える腕木式信号機(廃止)
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波止浜湾の造船所群を遊覧

  この日、来島海峡の中水道では午後3時26分に最速8.6ノット(時速約16㎞)に達するというので、下田水港を発着する観潮船で〝急流体験〟を楽しみました(チケットは、道の駅・いきいき館で購入/大人1,000円)。いつも、能島城跡周辺と船折瀬戸の潮流体験ばかりを宣伝していますが、来島海峡の潮流もとても魅力的です。なんてて、世界初の3連吊橋〝来島海峡大橋〟の橋げた下をくぐり、中水道の急流を間近で感じることができます。来島海峡は1日約600隻の船舶が航行する海上交通の要所で、外国船籍の大型船・巨大船が通航する国際航路でもあります。波止浜湾では、建造中の大型船を海上から間近で見学することができ、船首のバルバスやスラスターの解説アナウンスには、マニアックさを感じました。

  来島海峡を見慣れた私が、今回あえてこの観潮船に乗り込んだのは、春の大潮見学以外にも目的があったからです。それは、先月26日で廃止となった中渡島潮流信号所の腕木式信号機を間近で見学するためでした。この信号機は、残念ながら来島海峡大橋の歩行者・自転車専用通路からは眺めることができません。廃止となるまでは、国内唯一の現役の潮流腕木式信号機でした。今年度中に撤去の予定で、現在は赤丸と黒四角の表示板が真横に保たれた状態で停止しています。従来は、この表示板の傾斜角度によって、同海峡の潮流の向き(北流・南流)を示し、〝順中逆西航法〟を航行者に知らせる役割を担っていました。順中逆西航法とは、順潮の時は中水道、逆潮の時は西水道を航行するという、来島海峡だけの特殊航法をいいます。一般に海上航法は右側通行ですが、ここだけは潮流の向きで通行帯が6時間ごとに反転する、世界的にも珍しい海の道なのです。腕木が中渡島にある間に、撮影することをオススメ致します。

  腕木式信号機が廃止となった中渡島潮流信号所は、名称が中渡島灯台へと変わりました。この灯台は、明治33(1900)年4月20日に初点灯した近代交通遺産です。隣の吏員退息所(灯台守の官舎/りいんたいそくしょ)も当時のものですが、こちらも今年度中に撤去の予定です。ここに腕木式信号機が備わるのは明治42(1909)年8月15日で、以来、名称およびシステムが中渡島潮流信号所に変わりました(初代の信号機は、サンライズ糸山に移築保存されている)。ですから、100年の時を越えて、再び中渡島灯台が復活したことになります。急流体験では、馬島のウズ鼻灯台も間近で見学ができ、こちらは昭和13(1938)年2月12日初点灯の近代交通遺産です。
  大島には、私たちの活動拠点であるカレイ山展望公園だけでなく、亀老山展望公園・バラ公園・野間仁根画伯の美術館(郷土文化センター)・急流体験・潮流体験・村上水軍博物館など、この島だけで1日が楽しめる魅力が詰まっています。しまなみ海道開通から、もうすぐ13年がたとうとしていますが、確実に周遊観光コースの商品が充実して参りました。サイクリストの聖地にもなりつつあり、大事な時期を迎えています。ますます、未来を拓く観光戦略が大事になってきますね!

広報担当 大成
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