石花汁を食べる(1/19)
石花汁と大島石テーブル
具材調理
鍋に入れます
中央の具材が瀬戸貝!
石花汁できあがり
焚き火にあたりたくなる寒さのなか、男性会員5名・女性会員4名が参加しての新年最初の作業日となりました。しまとく市場の調理場をのぞくなり、テンションの上がる光景が。賄いランチの石花汁(せっかじる)の具材を調理していたのです。石花汁といえば、昨年末に刊行された『新いまばり博士』にも掲載される、ご当地を代表するグルメの一つです。私にとっては、初めて食する機会となります。
今回は、取材対応もかねてつくられたようで、新居浜市からの来客が撮影に励んでいました。特製鍋が野外に用意され、私も薪をくべる作業などを手伝うことになります。約50人前の石花汁ですから、使う野菜の具材もたっぷり。地域によっては、「ぶっかけ汁」や「ぼっかけ汁」とも称するようですが、なぜか宮窪では石花汁。具材に、ご当地の潜水漁師が採った瀬戸貝(イガイ)を入れるのがポイントで、水軍みそとのコラボで、磯の香りがやんわり引き立ちます。
かつては、大島石の丁場(採石場)で、作業員が暖をとったり、胃袋をみたす食材としてよく調理されたといいます。せっかちな今治人を文字って、「せっかち汁」と称することもあるようです。確かに、薪をたくさんくべると、あっという間に煮えて出来上がります。一説に、熱した花崗岩(かこうがん)の小さなカタマリを鍋に入れて、沸騰の助けとする調理法もあったようですが、花崗岩は熱に弱いことで割れたカケラが発生し、具材に混ざるとしてあまり好まれないようです。
何はともあれ、寒いこの日にはぴったりの賄い飯で、私は宮窪の石山男の気分を味わうことができました。NPO法人・能島の里の会員になると、時折こうした特典にありつくことができます。一緒に作業で汗を流してくれる方、あるいはサポーター会員の方を引き続き募集いたしております、どうかよろしくお願い申し上げます。