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炭焼き小屋
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 自給自足の時代、燃料用の炭は各地域や家庭で独自の工夫を加えられながら焼かれていました。その歴史は2千年の時を経て脈々と受け継がれてきましたが、この半世紀の燃料革命により、炭焼きと炭利用の文化は急速に衰退していきました。宮窪に作られた多くの炭窯もいつしかその姿を消し、今では老人の思い出のなかにひっそりと息づくだけです。
 しかし近年、炭の消臭・除菌効果が見直され、さまざまな活用方法が模索されています。そのなかでとくに注目を集めているのが竹酢液です。竹酢液は、竹炭を焼く過程で抽出される液体で、強力な殺菌作用を持っています。しかも、科学物質を一切含まないということで、「環境にやさしい消毒液」として、農業や美容の分野での活用が見込まれています。

 当会では、10年ほど前に会員数名が、炭焼き経験の豊富な古老・故村上光行氏の指導のもとに炭窯を復活させ、炭の生産・販売に成功していました。しかし、燃料としての炭という、当時の炭の活用の幅の狭さは、炭生産の拡大をもたらさず、いつしか炭窯は忘れ去られていました。ところが、近年の炭の活用方法の広がりは、再び炭窯に光を当てることになりました。 当会では3年前から海賊時代の野菜作りに取り組んでいますが、化学肥料や農薬を一切使わずに安全な野菜を作るために竹酢液に着目しました。竹酢液の消毒・殺菌作用は、作物の除虫や病気予防に効果的です。当会では、宮窪に大量に自生し、畑をも侵食し始めている竹を原材料に、昔ながらの炭窯で竹炭を焼くことで、自家消費、あるいは販売用の竹炭を焼くと同時に竹酢液を抽出し、無農薬農法の確立を図ろうと考えたのです。 しかし、故村上光行氏の指導のもとに作った10年前の炭窯は、現在では天井が落ちて使用することができません。そこで、この炭窯を復元することになったのです。作業は、村上水軍博物館の学芸員(田中謙)と、成城大学民俗学研究所研究員(松田睦彦)による実測から始まりました。休日返上での作業です。この実測図をもとに、本年元旦から丁張りや基礎工事といった作業が始まり、3月31日に完成しました。 この炭窯の特徴は、宮窪の特産である大島石を火に強い赤土で塗り固め、炭窯の形が、火の回りの良い、人の顔の形になっているということです。1回あたり4立米あまりの竹炭と、相当量の竹酢液を生産することが出来ます。 竹炭は用途が広く、研究しだいでは宮窪の特産品として新たな産業に成長する可能性を秘めています。実際に炭の生産にあたっている会員との話し合いを繰り返しながら、今後どのような炭製品を開発していくか、検討していきたいと考えています。

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